読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

腰が痛い時は冷やす?温める?

■腰が痛い時は、冷やすべきか、温めるべきか?

腰が痛いときに、患部を冷やした方がいいのか、温めた方がいいのか、対処に悩む方も多いのではないでしょうか。

 

f:id:karadano-honto:20161123064031j:plain

2012年に発行された「腰痛診療ガイドライン1では、急性腰痛に対する温熱療法の効果は「Grade B」、すなわち「行うように推奨する中等度の根拠に基づいている」という、上位より2番目に高い位置づけとなっています。

 

一方、患部を冷やすことの効果、つまりは急性腰痛に対する寒冷療法のエビデンスは存在しません。よって、ガイドラインに従えば、冷やすよりも温めた方が良いということになります。

 

f:id:karadano-honto:20161123065313j:plain

Nadler氏が2002年に報告した研究2によると、急性腰痛患者に対し、ヒートラップと呼ばれる腰部の表面上を温める効果のある温熱パックを使用したグループと、鎮痛薬を使用したグループとで鎮痛効果を比較検討したところ、ヒートラップを使用した方が、鎮痛効果が高い事が判明しました。

 

更に翌年、経口プラセボ薬(偽薬)との比較検討したところ、ヒートラップを使用した方が、プラセボ薬を服用するより、鎮痛効果が高い事が判明しました。3

 

■セオリーとは異なる事実と注意点

この事実は、痛みが強いいわゆる急性期の対処方法のセオリーとは真逆です。

セオリーでは、炎症の急性期においては、患部の出血や浮腫の発生を極力少なくし、痛みと周辺組織の二次的損傷を抑止することを最優先する為、温めるよりも冷やした方が良いとされています。

しかし、意外なことに急性腰痛に対する寒冷療法のエビデンスは存在せず、逆に温めた方が良いというのです

f:id:karadano-honto:20161123064821j:plain

とはいえ、患部が赤みを帯び、熱を持っている、安静にしても動かしても激痛がある、など明らかな炎症の急性期においては、温めることで症状が余計に増悪する危険性があり、お勧めできません。

 

急性期の温熱療法については、患部が熱を持っていない、安静にしていると痛みが落ち着く場合において、使用中の患部の状態変化に充分注意を図りながら、行うことをおすすめします。また、対処法に悩んだ場合は自己判断ではなく、医療機関に相談へいくようにしましょう。

  

<文献>

1)腰痛診療ガイドライン2012(日本整形外科学会、日本腰痛学会監修,南江堂)

2)Nadler SF, Stainer DJ,Erasala GN.Continuous Low-level heat wrap therapy provides more efficacy than ibuprofen and acetaminophen for acute low back pain.Spine.2002;27:1012-7 

3)Nadler SF, Stainer DJ,Erasala GN. Continuous Low-level heat wrap therapy for training acute nonspecific low back pain. Arch Phys Med Rehabil.2003;84:329-34